Agroecological Carbon Technology農法(ACT農法)とは

白色木材腐朽菌の特性を具備した菌根菌と樹皮等の植物バイオマスによって農地に森林生態系を再生する新規農業技術(特許第7529216号)です。化学肥料・農薬に依存せず安定した農業生産を実現しながら、農地への炭素貯留と農業由来の温室効果ガス排出を最小化する地球温暖化対策技術でもあります。

ACT農法の開発背景                                    森林生態系は、マツタケ菌や白トリュフ菌等、地球上で唯一リグニンを分解出来る白色木材腐朽菌としての特性と植物と相利共生する菌根菌としての特性を具備した真菌が支えています。森林生態系では、植物は不安定な光合成のみに命を委ねているわけではありません。植物は、この菌根菌が、枯落ち葉や枯枝等を分解したピルビン酸や有機酸を得ることで、幾多の環境変化の中で脈々と命を繋いで来たのです。ACT農業技術は、この森林生態系の仕組みを農場に忠実に再生することで、化学肥料・農薬に頼らず安定した農業を実現するチャレンジから生まれました。

ACT農法の主要資材                                  ①ACT菌根菌資材                                      白色木材腐朽菌と菌根菌の特性を有する真菌類の中で、病原菌等他の真菌類に比べて増殖性に優れ、白色木材腐朽菌としての性能を具備し、ピルビン酸や植物ホルモン等有用物質を植物に供給している白トリュフ菌やマツタケ菌等をACT菌根菌として選抜し、これらの菌を発酵培養した土壌改良資材(商品名:Smart Max Great Ray畑の涼風α)です。                                   ②ペレポスト                                        森林生態系のエネルギー源として不可欠な枯落ち葉や枯枝の替わりに、樹皮を独自手法で粉砕圧縮成形した木質ペレット(商品名:ペレポスト)です。ペレポストには、樹皮由来のリン・カリウムの主要肥料成分に加えて、糖質のペクチンや樹脂、生理活性物質、微量要素、ケイ酸などが大量に含まれており、これらが植物と共生する白色木材腐朽菌の能力を具備した菌根菌によって分解吸収されることで、森林生態系同様に植物の健全な成育をサポートします。

ACT農法が可能にすること                               ①肥料使用量の削減                                     ACT菌根菌は空気中や雨中の窒素を取り込んで自らの菌糸を土中に繁殖することで、窒素肥料の投入量の大幅削減を実現します。また、ペレポストはリン・カリウム及び微量要素を豊富に含むんでいるのでこれらの肥料投入量の削減も可能となります。                         ②農薬使用量の削減                                     ACT菌根菌は、主要病原菌よりも低温から高温まで生育温度域が広く非常に増殖性が高い為、ACT菌根菌資材の散布によって病原菌の蔓延が抑制されます。また、ペレポストは1kg当たり約4000kcalのエネルギーを含み、ACT菌根菌の分解で生じたピルビン酸、各種有機酸、植物ホルモン等の代謝物は共生する植物の生育促進や高温等の環境負荷・病原菌等への抵抗性を向上し、ACT菌根菌が産出するαピネン等の臭気物質がアブラムシ等の忌避を促します。                         ③緑の食料システム戦略の目標達成                              ①②によって、日本政府の緑の食料システム戦略の2050年達成目標(化学農薬の使用量を50%低減、化学肥料の使用量を30%低減、有機農業の取組面積の割合を25%に拡大)の大幅前倒し達成が可能となります。                                          ④地球温暖化問題改善                                    ACT菌根菌によって低分子化されたペレポスト由来のリグニンは、土中のアルミやケイ素と結合し腐植となって、フルボ酸やフミン酸の供給源として植物生育や免疫向上をサポートすると共に、数百年から数千年分解されない安定した炭素化合物として土中に貯留される為、ACT農業技術を採用する農地が増えれば増えるほど農地に炭素が固定され地球温暖化問題改善に寄与します。                                          ⑤農産物の付加価値の向上                                    ACT農業技術で栽培した作物は、光合成以外の安定したエネルギー源を得ることで、曇天や高温下で光合成によるエネルギー獲得が低下する状況にあっても、慣行栽培区に比べて作物の品質に影響の大きい着色や匂い物質を潤沢に生産可能となります。また、ACT農業技術で栽培した作物は、イチゴや桃、ホウレンソウ、お米に至るまで、一様にエグ味や雑味成分が大幅に低減する傾向にあり、ACT農業技術に取組まれている生産者の皆様と共に『清麗』という新規農産物ブランドを掲げ普及を進めております。                                   

 

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