近年、持続可能な農業がますます注目を集めています。その中で、私たちが取り組んでいるACT農法は、肥料や農薬に依存しない栽培方法として、多くの農家や研究者から関心を集めています。特に、窒素肥料を使用しないにもかかわらず、作物が健全に育つという驚くべき結果が得られています。今回は、その根拠となるデータを基に、ACT農法の持つ窒素肥料削減の可能性についてご紹介します。
◎ 窒素肥料を使わずに健康な成長を実現
農業において、窒素肥料は作物の成長に欠かせない要素として長年使われてきました。しかし、過剰な窒素供給は環境負荷を高め、土壌や水質の汚染、さらには健康リスクを引き起こす可能性もあります。
私たちが実施したACT農法の試験では、窒素肥料を一切使用せず、作物が自然の力で十分に育つことを確認しました。例えば、スウィートコーン、ミニトマト、ナス、バナナ、バタフライピー、キュウリなどの作物について、葉のSPAD値を測定したところ、以下のような結果が得られました:
– スウィートコーン:8葉期SPAD値48.1
– ミニトマト :開花期SPAD値45.8
– ナス :一年以上経過した段階でSPAD値42.4(引き続き収穫中)
これらのSPAD値は、光合成が活発に行われ、窒素不足に陥っていないことを示しています。特に、窒素肥料を一切使わないにもかかわらず、このように高いクロロフィル含有量(SPAD値)を保っていることは、植物がACT菌根菌と共生し、自然な栄養供給サイクルを確立していることを示唆しています。
窒素過剰の心配はなし、自然に近い栽培環境へ
ACT農法では、従来の化学肥料に頼るのではなく、ACT菌根菌が植物と共生し、自然の栄養素を適切に供給することで作物を育てます。このため、窒素過剰による葉の成長の不均衡や、硝酸態窒素の蓄積といった問題が起こりにくくなっています。
実際、測定したSPAD値からも、従来の慣行栽培と比較して窒素過剰な状況が見られないことが確認できました。SPAD値が40台を中心に安定しており、これは慣行栽培の基準においても適切な範囲内です。つまり、窒素飢餓やクロロフィル不足の懸念がなく、植物が自然な形で光合成を行っていることがわかります。
窒素肥料を削減できるメリット
ACT農法による窒素肥料の削減は、以下のようなメリットをもたらします:
1. 環境への負荷軽減:
化学肥料の使用量を減らすことで、土壌や水質の汚染を防ぎ、化学肥料の製造や運搬に必要な温室効果ガスの削減にも貢献します。
2. コスト削減:
肥料の使用量を大幅に減らせるため、農家のコスト負担が軽減され、収益性が向上します。
3. 健康へのリスク低減:
硝酸態窒素の蓄積が少ないため、消費者にとっても安心な農産物を提供でき、信頼性が向上します。
ACT農法は、肥料や農薬に頼らずに、自然の力で作物を健康に育てる革新的な農業技術です。今回の結果をもとに、窒素肥料の大幅な削減が可能であることが明らかになりました。環境に優しく、コストも抑えられるこの農法は、今後の持続可能な農業の一助となるでしょう。
興味を持たれた方は、ぜひ私たちのACT農法について詳しくご覧ください。今後も私たちは、自然と共生しながら高品質な農産物を提供してまいります。